スーパーファミコン奇々怪界-謎の黒マント-の紹介
タイトーより発売された『奇々怪界』(1986年)を、ライセンス契約を結んだナツメが開発、販売を手がけたスーパーファミコン版のシリーズ第1弾である。アーケード版のシステムを基本に、操作性やゲーム性なに独自の要素が加えられた作品で、北米では『Pocky & Rocky』の表題で発売された。
概要
本作は、アーケードゲーム『奇々怪界』の続編として位置付けられ、前作の後日談として描かれている。
操作体系の一部に独自の要素が追加されており、新しいアクションとして「滑り込み」「お祓いチャージ」「スピンアタック」が導入された。また、本作からライフ制およびコンティニュー制が導入された。
ゲーム内容[編集]
システム[編集]
- お札
- 攻撃の基本であるショット攻撃。小夜ちゃんはお札、魔奴化は木の葉を用いる。アイテム取得によって拡散弾、貫通弾のいずれかに変化する。
- お祓い
- 敵の一部の攻撃を防御しつつ攻撃にも使える攻防一体の直接攻撃。小夜ちゃんはお祓い串、魔奴化は尻尾を用いる。お祓いのボタンを押し続けることで、「お祓いチャージ」が使用可能となる。
- アーケード版のように歩きながらの攻撃はできず、その場に立ち止まってアクションする。その際は自機の位置の固定ができないため、耐久力の高い敵に当て続けると反動で後ろにずれていく。攻撃力はお札攻撃に比べてはるかに弱く、お祓い自体が緊急回避的な位置づけのアクションであるため純粋な攻撃手段には向いていない。
- 術(ボンバー攻撃)
- 画面上の広範囲に強力な攻撃を行う必殺技。開始直後およびコンティニュー直後は1回しか使えないが、アイテムの取得によって最大3回までのストックが可能。小夜ちゃんは威力は強いが上下左右の4方向限定で強力な爆風を放ち、魔奴化は威力は弱いが木の葉を円状に放出して画面中の敵全てにダメージを与える。
- 滑り込み
- 進行方向に対して、歩行時の約2倍の速さでヘッドスライディングを行う。その分、移動速度も上昇するが、スライディング後に僅かな隙が生じる。
- お祓いチャージ
- 小夜ちゃん、魔奴化双方に備わった特殊攻撃。お祓いのボタンを押し続けてパワーを溜め、最大まで溜めたところでボタンを離すと発動する。小夜ちゃんの場合は「お祓いスピン」が発動し、お祓い棒を突き出した状態で身体を回転させ十字キーで移動しながら攻撃が可能。魔奴化の場合は「無敵地蔵」が発動し、地蔵に変身して一切の攻撃を無効化する代わりに、変身が解除されるまでは一切の行動が不可能となる。
- スピンアタック
- 2人用のみで使用可能な特殊攻撃。滑り込み中に味方にぶつかると、ぶつかった味方を弾き飛ばして腹ばいの状態で回転させる。この状態で敵に触れるとダメージを与えられるが、回転中は触れた壁面に対して90度に反射して方向を転換するのみで一切の操作を受け付けなくるため、常に足場からの転落の危険を伴う。2人同時に滑り込みをしてぶつかった場合は、両者とも同時に回転する「ダブルスピンアタック」が発動する。
ライフ制と残機制[編集]
本作では残機制とライフ制が併用されており、キャラクターの体力はハート型のメモリで表される。ゲーム開始時は最大値が4メモリで、ステージをクリアするごとに最大値が1メモリ増え、最大8メモリまで増加する。1メモリに付き2メモリ分の体力設定となっており、実質的には最大で16メモリ分の体力値となる。ダメージ量は敵の攻撃の種類やダメージの種類によって異なる。ミスして残機が減った際には、自機が画面上空から飛び降りてきて復帰し、着地した際に画面中の敵全てにわずかにダメージを与える。穴や水中などへの落下の場合は即死扱いにならず、体力が数ポイント減った状態で地上に復帰する。コンテニューした際はライフは初期化される。
アイテム[編集]
攻撃アイテム[編集]
- ブルーアイテム
- お札が貼られた青い水晶玉。取るとショット攻撃が扇状に広がる拡散弾になる。ブルーアイテムを取り続けると、攻撃範囲と射出速度が上昇する。レッドアイテムを取って攻撃を変更すると、威力が一段階下がった状態になる。
- レッドアイテム
- お札が貼られた赤い水晶玉。取るとショット攻撃が貫通弾になり、重なった敵をまとめて倒すことが可能となる。取り続けると、攻撃判定が大きくなる他、敵への被弾時に左右に拡散してダメージの範囲が広がる。ブルーアイテムを取って攻撃を変更すると、威力が一段階下がった状態になる。
- グリーンアイテム
- 小振りな緑色の水晶玉。取ると術の使用回数が1増える。最大3つまでストック可能。つづらから出現。
- お守り
- 身体にバリアを張り、敵の攻撃を2回だけ防ぐ。つづらから出現。
回復アイテム[編集]
- お茶
- 回復アイテム。ライフが2メモリ回復する。
- お団子
- 回復アイテム。ライフが完全に回復する。
その他アイテム[編集]
- つづら
- 特定の敵の撃破後に出現・もしくは道中に点在するアイテムボックス。上記いずれかのアイテムが入っているものと、「スカ」と書かれたお札と同時に敵が出現するものの2つがある。
- 七福神
- 小夜が仕える7人の福の神。今回は隠しキャラクターとして登場し、マップ上の特定の場所をお札で打つとランダムで七福神の誰か1人が姿を現し、アイテムを3種類まで与えてくれる。アイテムの内容はそれぞれ異なる。
- 狛犬(こまいぬ)
- 狛犬にまたがって一定時間無敵となるが、移動は常に上下左右の4方向いずれかのみの自動ジャンプとなり、この際に可能な行動は進行方向の決定のみである。
- 七福神の与えるアイテムからしか入手できない。
ストーリー
そんなある日、妖怪軍団の親玉だった化け狸「魔奴化」が小夜が勤める神社へ駆け込んで来る。慌てた様子の彼から聞いた話によると、仲間の妖怪たちの様子が急におかしくなり、暴れ出したという。神社に侵入してきた妖怪たちを鎮めた小夜は、黒いマントを羽織った謎の怪人の存在を聞き出し、森に住む妖怪たちの危機を察知して魔奴化と共に森へ向かう。そして、森での戦いの末に、謎の怪人「黒マント」の正体が西洋妖怪軍団の首領であり、その目的が日本征服だと知った小夜と魔奴化は、日本妖怪と日本の平和を守るために新たな戦いへ身を投じるのだった。
評価
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、6・6・5・6の合計23点(満40点)、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、21.62点(満30点)となっている。この得点はスーパーファミコン全ソフトの中で93位(323本中、1993年時点)となっている[1]。
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